Starfield 航星日誌

スターフィールドのプレイ日誌です。ネタばれあり。あしからず。

ダイモス - ソル星系 火星

恒星日誌 23308.0

ヴァンガードの船を見つけるため、我々は火星から金星へと進まなければならない。しかしその前に、衛星ダイモスに寄港することにした。

 

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シドニアを離陸した我々は、いったん火星の停泊軌道から衛星ダイモスの軌道に遷った。シドニアを空から牛耳るダイモス・スターヤード社の様子を見ておきたかったのだ。

 

造船施設はダイモスの地表を改造して作られているかと思っていたが、実際はダイモス近傍に浮かぶ巨大なトラス型の宇宙ステーションだった。考えてみれば、ダイモス程度の小さな天体だと重力も弱く地表は強く固まっていない。穴を掘ろうにもダストが飛び散ってしまい、文字通り形にならないのだろう。

 

 

ステーションの桟橋からベローズが伸び、船の上部ハッチと接合する。この船の上部ハッチを使うのははじめてだ。与圧されたベローズを通って中に入ると、20世紀の自動車ディーラーと航空博物館を合体させたような施設が中にあった。

 

 

実物を見てしまえば、なんということもない。ダイモス・スターヤードは意外と質素で安っぽくも見え、奴隷の搾取によって築かれた一大帝国という印象はどこにもなかった。だがそれが、逆にコロニー連合の構造的な差別を物語っているようにも思える。彼らも自分たちコロニー連合の軍事力、政治体制、しいては社会を支えるために、仕事をしているだけだ。ピラミッドの頂点を支えるためではなく、全体を支えるために、コロニー連合は全体の一部であるシドニアやウェルの人々に貧困を押し付けている。

 

スターヤードを取り仕切っているのはニカウ・ヘンダーソンという軍服を着たスキンヘッドの男だった。私を民間人とみるや即座に見下すような、つまらん男だ。しかし彼の部下のサンドラ・フラートンという女性は連合軍人にしては気さくで、いろいろと話ができそうだ。彼女はニューアトランティスのジェイクズ・バーのスタウトを飲みたがっていた。機会があれば持ってきてやろう。

 

頼まれ仕事で思い出した。シドニアの鉱山に降りたとき、現場監督のトレバー・ペティヤールに、秘密の仕事を紹介してやるから、小手調べにダイモス社のブレナンとかいう役員に取り入ってこいと言われていたのだ。まあ話の流れで仕事が欲しいみたいなことを口走ってしまっただけなのだが、スパイごっこも一興だ。せっかくなのでここの端末から役員秘書の仕事にアプライしておいた。人格テストみたいなことをやらされ不快だったが、まあお遊びお遊び。

 

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さて、ここで航宙艦を買えるようなカネは持っていないので、長居する理由もない。改めて金星行きだ。

 

 

ソル星系の全体図を見てみよう。各天体のスケールは誇張してあるが、各天体の位置関係は正確なはずだ。現在、火星と金星は比較的近い位置にある。特に寄り道もせず、重力井戸を強引に降りていけば、金星に到達するだろう。

 

もちろん、FTLエンジンが実用化し、通常エンジンも旧世紀とは比べ物にならない性能が出るいま、別に土星経由だろうが天王星経由だろうが、惑星間の移動はほぼ一瞬で終わってしまう。だが気分の問題だ。古き良き時代のように、天体間移動の情緒を楽しみたいじゃないか(そんなものがあったかどうかは知らないが)。

 

さあ、一路金星へ。